【農福連携】福福連携から生まれる新たな農福連携
2026年08月17日~福祉事業所同士が力を合わせ、地域の農業を支える~
農福連携というと、農業者と福祉事業所が連携して農作業を行う取り組みを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
今回は、福祉事業所同士が力を合わせて農作業に取り組む、「福福連携」から生まれた農福連携の事例をご紹介します。
湖西市の就労継続支援A型事業所「すこやかファーム湖西」と、同じく湖西市の就労継続支援B型事業所「ひまわり授産所」が手を組み、地域の農業を支えています。
栽培を担う「すこやかファーム湖西」と、収穫・パック詰めを担う「ひまわり授産所」
「すこやかファーム湖西」では、畑やハウスでさまざまな野菜を栽培しています。
そして今年から、新たにブルーベリーの栽培にも取り組み始めました。
栽培に必要な草取りや剪定などの作業は「すこやかファーム湖西」が担当し、ブルーベリーが実る7月から8月にかけては、「ひまわり授産所」が収穫とパック詰めを担当しています。
「この時期は、ほぼ毎日のように収穫作業が必要となり、1日当たり約12㎏を収穫し、約120パックのパック詰めを行っています。」
一方で、ブルーベリーの収穫は、利用者の皆さんにとって「どの実を収穫すればよいのか」を判断することが難しい作業でもあります。
そこで、「すこやかファーム湖西」の鈴木健吾社長は、利用者の皆さんにこんな声かけをしています。
「ブルーベリーを食べて、おいしかったものと同じ色のブルーベリーを取ってね」
濃い色の実を選ぶという説明だけでは分かりにくい場合でも、「自分がおいしいと感じたブルーベリーと同じものを探す」という伝え方なら、利用者の皆さんにも分かりやすく、楽しみながら作業することができます。
鈴木社長は、「あまりにも食いしん坊な利用者さんばかりだと、収穫するより食べる量の方が多くなってしまっては困りますけどね」と、笑顔で話してくださいました。
「嫌がる人はいない」――生き生きとした表情で取り組む利用者の皆さん
「ひまわり授産所」の中村敏夫施設長によると、利用者の皆さんはブルーベリーの収穫をとても楽しみにしているそうです。
「誰も嫌がらず、生き生きとした表情で作業をしています」
その言葉からは、単に仕事として農作業を行うだけではなく、収穫する楽しさや、自分たちが農業を支えているという実感が、利用者の皆さんのやりがいにつながっていることがうかがえます。
収穫したブルーベリーは、その後パック詰めまで行い、商品として出荷されます。
それぞれの得意な作業を分担することで、一つの農業の仕事が成り立っています。
栽培する事業所と、収穫・パック詰めを担う事業所。
中村敏夫施設長 鈴木健吾社長
福祉事業所同士だからこそ生まれる「福福連携」
今回の取り組みは、農業者と福祉事業所が連携する従来の農福連携とは少し違った形です。
福祉事業所が行っている農業に、別の福祉事業所が仕事として関わる。
それぞれの事業所が持つ「できること」や「得意なこと」を持ち寄ることで、新たな仕事が生まれ、利用者の皆さんの活躍の場が広がっています。
農業を行う福祉事業所にとっては、収穫やパック詰めを担ってくれる仲間ができることで、作業負担の軽減や生産規模の拡大にもつながります。
一方、農業を行っていない福祉事業所にとっても、農業に関わる新たな仕事や、利用者の皆さんが楽しみながら取り組める作業を得ることができます。
このように、福祉事業所同士がつながることで、農福連携の可能性はさらに広がります。
地域の中で広がる、新しい農福連携のかたち
農福連携には、決まった形があるわけではありません。
農業者と福祉事業所、福祉事業所と福祉事業所、そして地域のさまざまな人や企業が、それぞれの強みを生かしてつながることで、新しい仕事や活躍の場が生まれます。
今回の「すこやかファーム湖西」と「ひまわり授産所」の取り組みは、まさにその可能性を示す好事例です。
「一つの事業所だけでは難しいことも、力を合わせればできる。」
福祉事業所同士が支え合い、地域の農業を支える――。
これからも、このような「福福連携」による新たな農福連携の形を地域に広げ、障害のある方々の働く場と活躍の場をさらに増えることを願っています。










